致命的にどうしようもない話を聞いた。本当に、現実は面白い、、のかな。

サンデル教授の哲学授業が話題になったとき、なぜ授業を受けている大学生が皆、正義を行使しなければいけないという前提で話を進めているかわからなかった。
「外を歩いていると目の前に人が倒れている。どうしますか?」という問いがあったら「見なかったことにして倒れている人は無視して目的地に向かう」こんな回答があってもいいだろうと思っていた。しかし、よくよく聞いてみると、サンデル教授の授業は「JUSTICE( 正義)」というテーマで行なわれているとか。
まあ、その授業内容が書かれた本があったので読んだのだが素晴らしいたとえ話がでていた。

斜め読みしたので固有名詞が違っているかもしれない。ニュアンスのみを読み取ってもらえるとありがたい。
アメリカの特殊部隊に所属する隊員が、タリバンの幹部が潜伏している建物の情報を入手して、その情報の真偽や必要な兵力の調査などを行なう為に、潜伏情報のあったパキスタンの山間部にある村目指してパキスタンに潜入し情報収集を行なっていたらしい。人数は4人。
村付近で、2人と羊を大量に見つけたらしい。情報収集のために、その2人に銃を突きつけて身柄を確保した。尋問したら、ただの羊飼いの親子だった。そこで困った問題が発生した。紐はもちろん身柄を確保した二人を拘束するための物を一切持っていなかったらしい。一応アメリカ政府からは、作戦行動上で障害になりそうな場合、一般人でも殺すことを認められていたらしい。
つれて歩く事はできない。身柄をおさえた羊飼いの親子をどうするか?考えられる方法は、殺して自分達が潜入捜査していることを隠すか、開放するか。の二択にまでしぼったらしい。そこで隊長は多数決で決めることにした。多数決の結果、殺害1開放2棄権1で開放に決まった。殺すのが安全だか、そこは正義の味方症候群のアメリカ兵である、何の罪も無い羊飼いの親子を殺す事に躊躇した。

その後、開放された羊飼いの親子は地元に帰り、潜伏しているタリバンの幹部にアメリカ兵の情報を流し、4人のアメリカ兵は、150人の重武装したタリバン兵に襲われたらしい。アメリカはヘリを派遣して4人の特殊部隊隊員を救出しようとしたが、ヘリは落とされ17人死亡、4人の特殊部隊隊員も3人が死亡し、1人のみ重傷を負いながらも逃亡に成功して、アメリカよりの部族にかくまわれて、何とか生還したらしい。
その生還した兵士は、解放に一票を投じていた。それをアメリカに帰還後後悔している。それは、墓場までもっていく悩みだと思っている。今思えば殺すのが最善だったと、その判断をミスし多くの仲間を失った事を悩んでいるそうである。


まあこんな小話だった。実際にあった正義の選択問題である。自分達の安全のために何の罪も無い羊飼いの親子を殺していいのか?みたいな。
私がこれを読んで思ったのは、特殊部隊の隊員といってもアメリカ人は馬鹿なんだなあということである。もしかしたら、マスメディアに毒されているのが原因かもしれない。
いくら、アメリカ政府が認めたからといってパキスタンで一般市民を殺す事がパキスタン人にとって正義であるはずが無い事はちょっと考えればわかると思う。すなわち、それが認められていた自分たちはパキスタン人から見れば極悪非道の兵士である。パキスタン人だけではない。勝手にパキスタンに潜入して人殺しの許可を与えられている何て、アメリカ以外のどこの国から見ても正義ではないだろう。そんな正義のかけらも無いと思われている自分達が正義を行使しようとしたことが馬鹿げている。
隊長は、羊飼いの親子処分を多数決で決めようとしたが、選択をとるまでもなく殺すべきだった。たとえロープを持っていたとしても、殺した方が良かったと思う。それぐらいのつもりがないのならば、パキスタンに潜入すべきではなかったと思う。そんな事をしている時点で人殺しに関係なく正義にそむいているんだから、殺すか殺さないかを悩むなんて馬鹿げている。まあ自分たちは正義のために戦っていると思われていた悲劇なのかな。

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